矢沢弦月   明治19年（1886）長野県上諏訪生まれ～昭和27年（1952）
明治44年東京美術学校卒 久保田米僊 寺崎広業に師事


作品は子英の鯉を描いた図になります  子英は中国江陰の人で川に入って魚を捕まえることを生業としていました ある時いつものように漁をしていると真っ赤な鯉を捕まえ 子英はその鯉が大変気に入り池で養うことになり一年ほどたつと 鯉の体長は一丈余りになり角と翼までもが生えてきました ある日突然鯉は口を聞き「私は仙界よりあなたを迎えにやった来たのです 今日こそ共に昇天いたしましょう」すると満天にわかにかき曇り 滝のような雨が降り出し子英はさっそく鯉の背中に上がると 降りしきる雨の中空の彼方へ飛びさっていき神仙になりました それからも年に一度は戻ってきて 以前と同じように妻子と飲食をともにしそして数日すると鯉が迎えにくるのでした このようなことが七十年ほど続いたそうです


 掛け軸総高さ約2m20㎝  軸先までの総幅約62.5㎝
本紙（絹本）縦幅約1m27㎝  横幅約42.5㎝

伊万里焼や絵画彫刻などに見られます琴高仙人をテーマに
作品の描写はとてもよく弦月作品中の名品と思われます




作品にこれといった目立つ痛みはなく良い状態と思います 
箱は合わせ箱です


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